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2007年11月27日

スローフードな食育を始めよう。

食の危機が叫ばれている中、米国産牛肉のBSE問題や鳥インフルエンザ、最近ではノロウィルスや不二家の賞味期限虚偽表示問題など、食に関する新たな問題が次から次へと起きています。また、学校でのいじめや自殺、キレる親子、など凶悪な犯罪も日常化しつつあり、社会不安もピークに達している時代を、迎えようとしているのが現実です。こうした犯罪には、少なからず家族で食卓を囲む生活ではない、インスタント食品や添加物だらけのスナック菓子の食生活が影響を与えている、と言っても過言ではありません。
 また、沖縄では男性の寿命が全国でも26位以下に低くなり、肥満率は男女とも全国ワースト1になってしまうなど、もはや「沖縄は健康長寿の島」ということが、むしろ不当表示に値すると言われています。もともと、沖縄はファーストフード先進国で、一人当たりのフライドチキンやハンバーガーの消費量は日本一です。また、沖縄県民は、戦後食用油が普及するにつれ、魚のてんぷらやから揚げ、チャンプルーやステーキなど、悪玉コレステロールの多い食品を摂取し続けてきました。その結果、戦前の質素な食生活から、一気にアメリカナイズされた豊か?な食生活へと変化し、モータリゼーションの普及も急速に広がって運動不足になり、60代以下の死亡率は全国平均より高くなってしまいました。
 このような状況を踏まえると、沖縄の食育はまったなしの中で進めなくてはなりません。
子供たちの問題以前に、我々大人たちが実践していかなければいけないのです。そのためには、基本的な味覚をを知らなければなりません、例えば、日本人の味の基本となるだしの味、昆布やかつおぶし、にぼしやあご、豚骨や鳥骨、椎茸などのだし、等旨味の素となるものを、人間は3歳までに記憶すると言われています。5つの味の基本は、甘味、酸味、辛味、塩味、苦味、ですが、日本人は、さらにそれに加えて旨味、渋味という2つの味を知る要素を持っているので、非常に味覚が発達しているとも言われています。また、先人達は、視覚や臭覚、聴覚を楽しませる四季折々の食材や料理を、私たちに伝承してくれました。私たちは、子供たちにその味や形、色、香り、を知ってもらわなければなりません。そのことが、郷土の食文化や生産者を守っていくことになり、エコロジーを理解する知性と、自然に感謝する心を育むのです。
1.消えゆく郷土の生産物を守る
2.良質な郷土料理や食文化を楽しむ
3.子供たちに味覚や食文化、地球環境のことを伝えていく
沖縄・奄美スローフード協会では、この3つの基本理念を、さまざまなワークショップを通して実践していきます。そのためにまず、学校、地域、病院、介護施設等で菜園づくりを始めましょう。収穫の喜び、食べることの楽しみを皆で味わいましょう。あなたも、ぜひこのスローフード運動にご参加ください。
                     


平成19年1月吉日
                      沖縄・奄美スローフード協会
                      会長 田﨑聡
 スローフードな食育を始めよう。



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Posted by 食育スペシャリスト at 09:13│Comments(0)食育
 
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